働き方改革は、誰のものか
3つの視点で考えてみましょう。
《 経営者 》
組織として生産性向上を図ることですね。
これも、分解してみるといくつもの要素があります。
1.人材を確保する
・新卒、中途採用を有利にする(魅力的にする)。
・育児、介護で退社してしまうことを減らす。
・シニア人材が継続して貢献できる。
もっとも、人材を確保することと生産性向上が同じだとは限りませんが、各個人の、人生のステージや状況により経験とスキルを保有した人材が流出することを防ぎます。
2.活力を上げる
ここが重要で、働きやすくすることで、活力が上がるような施策が必要です。
3.無駄を排除する
組織は常に仕組みを改善していかなければなりませんが、働きやすくすることも仕組みとして大切です。
いくつもの要素をマネージして、結果として生産性向上につなげることが求められています。
《 個人(従業員) 》
生活の向上を図ることですね。
1.継続して働くことができる
人生のステージや状況変化に対応した働き方ができることで、イチかゼロではなく継続して働くことができる。
2.仕事と生活のバランスを、自分の意思で調整できる
働き方の柔軟性が得られると、人生のステージに応じて調整しやすくなります。
結果として、生活(人生)の質を向上させたいと考えています。
《 社会 》
持続可能な社会を図ることですね。
日本という枠で考えても、人口減少、高齢化、労働力減少、という大きな流れは如何ともし難いわけで、それを前提にして社会の質(とは何かという議論が必要ですが)の継続性を確保する、ではないでしょうか。
ちょっと考えただけでも、それぞれの視点と様々な要素があります。
現場の管理職の悩み
そこで、現場の管理職の悩みです。
「で、俺に(私に)どうしろと言うのだ?」
変革期には、現状から次の姿へのギャップに対してどう取り組むか、管理職に求められます。
しかし、まず最初に必要なのは、「次の姿」として、なんのために(Why)、何を(What)求めるかの定義が重要です。
それなしに、どうするか(How)を決められません。
一体、それを誰が決めるのか。
そして、今までのマネジメント・スタイルを、どう変えたらいいのか。
この辺に、管理職の悩みがあるように感じています。
そして、もうひとつ。管理職も「個人の視点」でも悩んでいるのです。
マネジメントすべきこと
マネジメントの原点に戻ってみましょう。
役割として、「組織目標を達成する」ことは誰しもが意識していることです。
もうひとつ、そのために「変化に対応して組織を変革する」ことが求められています。
短期視点と長期視点とも言えますね。
ですから、組織としての働き方改革は、管理職として給与をもらっているならば取り組まなければならないことです。それを決意することが出発点です。
もちろん、まずは経営トップの決意が必要です。
次に、問題を正しく捉える必要があります。
「問題とは、あるべき姿と現在とのギャップ」ですから、前述した「次の姿=あるべき姿」を定義しないことには問題が発散してしまいます。
ここに向き合う必要があります。
ここまでの議論ができれば、後はいつもの課題解決手法に従って進めていけば良いことです。
それに、「チームで解決する」という要素を入れることです。
うまくいかないケースでは、このWhy, WhatをやらずにHow(例えば、残業時間の削減)を導入してしまいます。
なにごとも、基本に立ち返って最初にすべきことから始めることですね。
そのための意識を変える研修プランは、こちらです。